アンパンマンの原作者・やなせたかし先生の作品は、今も昔も世界中で愛されています。
そんなやなせたかし先生が「クリスチャンだった」という噂があるのをご存知でしょうか?
今回は、やなせたかし先生が本当にクリスチャンだったのか?調べてみました。
【この記事で分かること】
・やなせたかし先生がクリスチャンだと言われている理由
・やなせたかし先生がクリスチャンではないと分かる事実
最後までぜひご覧ください。
やなせたかしがクリスチャン?と言われている理由3つ
\ニュースリリース!/
— 文藝春秋プロモーション部 (@bunshun_senden) February 16, 2025
NHKの朝ドラ「あんぱん」が話題!
「なぜ、アンパンマンは自分の顔を食べさせるのか?」
その理由が本書に。
梯(かけはし)久美子さんの
『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』
3月5日発売!
▼詳しくはコチラhttps://t.co/bZSnk2EJSq pic.twitter.com/pU4v7i9AkW
やなせたかし先生がクリスチャンだと言われている理由は主に3つあります。
実際にはやなせたかし先生はクリスチャンではありませんが、一体なぜ噂が出ているのでしょうか?
理由①アンパンマンのメッセージ性が強い

やなせたかし先生がクリスチャンだと言われている最たる理由の1つめは「アンパンマンのメッセージ性が強い」ためです。
アンパンマンは子供向けアニメとして知られていますが、登場キャラクターの発言ひとつひとつには大人も考えさせられることが数多くあります。

優しい世界観に泣いてしまいそうになることも
例えば、崖から落ちたジャムおじさんを飛んで助けるシーンでアンパンマンが発言した内容です。
「 ぼく、胸の中がとってもほかほかしてるよ 人を助けるってこんなに胸があったかくなるものなの?」
「人助け」が良いものだと自覚したアンパンマンは、みんなを積極的に助けるように成長していきます。

また、アンパンマンでは愛に溢れた発言も多く見られます。
僕の強さは、僕だけのものじゃないんだよ。仲間がいるから… みんなが応援してくれるから、僕は強くなれるんだ。
強いからといって驕ることはなく、みんなのおかげで強くなれるという謙虚な姿勢もアンパンマンの魅力の一つです。
これらのメッセージ性が「やなせたかし先生がクリスチャン」だという信憑性を持たせることとなりました。
理由②アンパンマンの誕生シーンがキリストを彷彿とさせる

続いて、やなせたかし先生がクリスチャン?と噂される理由は「アンパンマンの誕生シーンがキリストを彷彿とさせる」から。
アンパンマンは、ジャムおじさんとバタコさんが嵐の日に焼いていたあんぱんに、命の星が降り注いだことにより誕生しています。
「空から命の星が降ってきて僕は命を貰ったんだ」
— ıɾıɾ (@soubi_0310) June 29, 2018
新映画のCMの冒頭でのアンパンマンの台詞…小さい時にスペシャル?かなんかでアンパンマンとバイキンマンの誕生する時の話が好きで何回もビデオ見てたの思い出した😭 pic.twitter.com/EfxFctzOBp

同じ日にバイキンマンも誕生しました
この「奇跡によりただのパンに命が宿る」という内容が、まるでキリストが誕生した「マリア受胎」のようにも思える方も居るようです。

アンパンマンの誕生シーンが神々しくてキリスト誕生みたいに感じる
アンパンマンの誕生エピソードが、やなせたかし先生がクリスチャンだと言われる理由の一つになっています。
アンパンマンのモデルについては「やなせたかし先生の弟・千尋さん?」「キリスト?」など巷を賑わせていますが、実在の人物をモデルにしたというやなせ先生の発言はありません。

アンパンマンのモデルはキリストと断定できない
理由③アンパンマンの慈悲深さは聖書が由来?

やなせたかし先生がクリスチャンと言われる理由3つめは「アンパンマンの慈悲深さが聖書を思わせる」から。
皆さんご存知の通り、アンパンマンは「あんぱん」で出来ていてそれを分け与えるみんなのヒーローとして愛されています。
・アンパンマンは自身を犠牲にしてでも顔を空腹の者に分け与える
・「愛」と「勇気」を大切にしている
・バイキンマンを懲らしめるがやっつけはしない など
これらのアンパンマンの特徴は、やなせたかし先生が1937年の日中戦争で出征した時に感じた気持ちがベースとなっています。
・信じている「正義」は立場によって変わる
・飢えることが人間にとって一番つらい など

実体験なので言葉に重みがあります

やなせたかし先生が身を持って感じた重要な事柄がアンパンマンのベースとなっており、それが「聖書のようだ」と指摘する方がいます。

アンパンマンの博愛精神は聖書に通じる点があります
また、やなせたかし先生がアンパンマンについて次のように語られています。
「アンパンマンが、自分の顔をお腹の空いている人に分けてあげる行為は、
自己犠牲の愛の行為です。
真の正義とは、悪者を倒すことではない。
飢えている人に、食べ物を分けてあげる人こそ、本当のヒーローです。」
この慈悲深いアンパンマンの行動を「自己犠牲してでも人助けするヒーロー」として描かれています。
これは、キリスト教の「弱いものを助ける」考え方にも該当しますし、また、仏教の「お布施」にも該当します。
アンパンマンの精神が「キリスト教が大切にする信条を彷彿とさせる」ことから、やなせたかし先生がクリスチャンであるという話が広まっていました。
やなせたかしはクリスチャンではないと分かるエピソード

やなせたかし先生がクリスチャンであると言われる理由はどれも信憑性がありそうに思えますが、実際にはクリスチャンではありません。
事実、2013年11月20日付の東京新聞で「やなせたかし先生がクリスチャンであるという報道は誤報だった」と訂正されています。
『やなせたかしさんをクリスチャンとしたのは誤りでした』

「ダンディーで信仰あついクリスチャンだった」という報道への訂正です
正式に否定されていることからやなせたかし先生がクリスチャンではないことは明らかですが、やなせたかし先生のお考えが分かるエピソードを少しだけ見ていきます。
エピソード①戒名を持っていた

やなせたかし先生がクリスチャンではなく仏教徒と思しき理由には「戒名を持っていた」ことも挙げられます。
やなせたかし先生は2013年10月13日に逝去されていますが、亡くなる前にご自身の手で様々な準備をされていました。
死ぬ準備は全部してあるんですよ。
自分の位牌がもうできてるんです。
「清浄院殿画誉道嵩大居士」って戒名をつけてね、
仏壇に飾ってあるんです。
墓も、設計図を渡して作ってあるんですよ。
引用元:「箱入りじいさんの94年」
「終活」の準備について語られる中で「戒名」「仏壇」などと出てきていることからも、クリスチャンでないことが明らかです。

先生は「クリスチャンではない」とも「仏教徒だ」とも発言されていません
これらの事実から仏教徒?と思われますが、実はやなせたかし先生ご自身は特定の信仰をお持ちではありませんでした。
エピソード②特定の宗教を信仰していない

やなせたかし先生が特定の宗教などへの信仰心を持たないと言える理由は、過去の発言からです。
「ぼくには宗教心というのは全くないのです。おそらくこれからも宗教に頼ることはないでしょう。」
先生個人では宗教心が無いことが分かります。
やなせたかし先生が凄いところは、宗教の存在を認めて崇拝するところにあります。
「宗教を認めながら、神を崇拝しながら、宗教心がないのです。」
無宗教の人が多い日本人の中でも、ここまでしっかり自認できている方はそう多くは無いのではないでしょうか?
やなせたかし先生はそれぞれの存在を尊重し、アンパンマンの中にそれを反映させているところからも本当に広い視野をお持ちであることが分かります。
さいごに
やなせたかし先生がクリスチャンと言われる理由について詳しく見てまいりました。
【この記事で分かったこと】
・やなせたかし先生がクリスチャンと言われる最たる理由はアンパンマンの作風にあった
・実際には特定の宗教心をお持ちではない
最後までご覧いただきありがとうございました!
宜しければこちらもご覧ください!


