映画「ハリー・ポッター」シリーズでハーマイオニー・グレンジャーを演じた女優エマ・ワトソンと、原作者のJKローリング。
最近、二人の関係について「仲が悪いのでは?」「何があったの?」と話題になっています。
そこで今回は、なぜ二人が4年間もの間ここまで揉めているのか、発言の経緯を時系列で整理し解説します。
【この記事で分かること】
エマ・ワトソンとJKローリングの間に何があったのか
ぜひ最後までご覧ください!
エマ・ワトソンとJKローリングの関係は?
エマ・ワトソンとJKローリングの関係を簡単に整理しておきましょう。
※以下、エマ側をグリーン、ローリング側をイエローにしています
まず、エマ・ワトソンは映画「ハリー・ポッター」シリーズでハーマイオニー役を演じ、一躍スターになりました。
エマ・ワトソン:2001年「ハリー・ポッターと賢者の石」で女優デビュー。以降は「ブリングリング」「美女と野獣」など人気作に出演するトップ女優に。
ハリー・ポッターシリーズ一作目「賢者の石」の出演当時、エマ・ワトソンは11歳でした。
ハーマイオニーは
— ✞きょう✞ (@2ZGRG) November 25, 2016
賢者の石に出て来た
ロリハーマイオニーが一番可愛いから✋
異論は認めない pic.twitter.com/9rOrJx1QcG
弁護士の両親の元に生まれ、ハリー・ポッターシリーズには何段階ものオーディションに合格してその座を勝ち取っています。

自身は名門のブラウン大学卒です
ハリー・ポッターシリーズで人気を不動のものにし、その後の出演作はどれも話題作ばかり。
2019年を最後に女優業からは一線を引いているものの、女性の人権保護活動などに積極的に過ごされています。
一方、JKローリングはハリーポッターの原作者として、ワトソンを含むキャストたちの人生に大きな影響を与えた人物です。
JKローリング:「ハリー・ポッター」の原作者。当時は離婚直後のシングルマザーとして日々奮闘しながらの執筆活動を送っていた。
今でこそ有名な作家として知られていますが、もともとは一般的な子持ち女性でした。
当時は28歳だったJKローリングは、私生活で離婚し、娘さんを抱えながら近所のカフェでひたすら執筆活動に打ち込みます。
Emma Watson has spoken out in support of transgender rights following comments made by Harry Potter author #JKRolling that have been criticized for #transphobia. https://t.co/pLcnXf5Y2k pic.twitter.com/qskCOUnL7F
— The Venus Magazine (@TheVenusMagz) June 12, 2020
無職でとにかくお金が無く、生活保護を受けながら1週間を70ポンド(日本円で1.4万円くらい)で暮らしていたことも!

ディメンターは当時の「絶望」を表しているのよね
そんな状況下でハリー・ポッターを書き上げて出版社に売り込むも相手にされない日々が続きます。
1997年にブルームズベリー社とついに契約を結び、発行に至ります。
その後のハリー・ポッターの世界的な人気はご存知のとおり。
以上のように、JKローリングは大きな苦労を経て成功を手にしているバイタリティに溢れた女性です。
エマ・ワトソンとJKローリングのやり取り【時系列で解説】

エマ・ワトソンとJKローリングが現在の関係性に至るまでのやり取りを時系列で見ていきます。
仲違いすることになった原因は「思想の違いです。
賢者の石の監督が「オリジナルキャストで映画を撮ることは二度と無いだろう」と語るほど、2人の考えが違うことを明らかにしています。
2020年:JKローリングのツイートが波紋を呼ぶ
ことの発端は2020年にさかのぼります。
ローリングはSNSで「people who menstruate(生理をする人々)」という表現を紹介した記事に対し「それは“女性”のことでは?」といった趣旨のコメントをしました。
‘People who menstruate.’ I’m sure there used to be a word for those people. Someone help me out. Wumben? Wimpund? Woomud?
— J.K. Rowling (@jk_rowling) June 6, 2020
Opinion: Creating a more equal post-COVID-19 world for people who menstruate https://t.co/cVpZxG7gaA
女性であれば、生理は「起こるもの」ですが、記事では「する」と表現されています。
つまり「トランス女性」を想起させています。
この発言が「トランスジェンダー女性を排除する立場ではないか」として大きな批判を浴びました。
<女性(ウーマン)という言葉にはトランスジェンダーの女性が含まれる。ローリング氏の発言はそれを否定する、トランス差別だ>という批判が湧き起こった。
引用元:BBC NEWS JAPAN
JKローリングは「トランス女性を批判しているわけではない」「生来の女性の権利は保護すべき」という考えを持っています。
これには、世界中のファンや著名人が賛否を表明しました。
そんな中、エマ・ワトソンが自身のXで「トランスの人々も尊重されるべき」という内容をコメントしました。
「トランスジェンダーの人々は、自らが言う通りの人であり、疑問視されたり、自ら言うような人でないと否定されることなく、人生を生きる権利があります」

ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリントもエマに同調しています
この発言により、エマががローリングの立場に同意していないことが明らかに!
ここから、二人の間に「見えない亀裂」が生じていき、4年間もの対立構造を生んでいくことになります。
2022年:エマ・ワトソンのスピーチとメモ
2022年、イギリスの映画賞「BAFTA」でのスピーチが再び話題になりました。
エマ・ワトソンは壇上で「I’m here for all of the witches(私はすべての魔女たちのためにここにいる)」と発言しました。
「私はすべての魔女たちのためにここに来ました」
EMMA WATSON NEVER SAID:
— WENSLEY (@WesGarbell) September 29, 2025
“I’m here for all of the witches, BAR ONE”
EMMA WATSON SAID:
“I’m here for all of the witches, BY THE WAY”
It is important to note that JKR wants to play the victim by referring to this when Emma NEVER attacked her. pic.twitter.com/zoq2BNOeZM
一見するとユーモラスな言葉に聞こえます。

ハーマイオニー(魔女)の世界観と掛けているからです
ヨーロッパで「魔女」は古くから「異端」とされてきた歴史があり、ここでは「トランス女性」が当てはまります。
エマの発言は「すべての女性、そして自分を”魔女”と名乗りたい人々を尊重する」というメッセージと解釈されました。
同時に、この発言はJKローリングへの間接的な批判だと受け止められます。

ローリングは「生来の女性」を「女性」として保護すべきという考えがあるよ

「トランスを否定はしないけどトイレや更衣室は分けるべき」という考えなんだよね
エマの「反論」と捉えられる発言により、再び二人の関係がメディアで取り上げられることになりました。

さらに、エマはこの発言の裏で、ローリングにとある「メモ」を渡しています。
メモを渡したのは授賞式の後の2022年3月です。
エマのメモには「あなたが今経験していることを本当に気の毒に思う」という内容が書かれていました。

哀れんでいますよね
これがローリングの目には「公で批判したのに裏ではご機嫌取りをする」というふうに捉えられてしまいます。
そこから、ローリングからするとエマが「偽善者」という見方に偏っていくこととなります。

ローリングにはこのメモが最もショックだったみたい
2025年9月:エマ・ワトソンが「関係は複雑」と語る
2025年9月、エマ・ワトソンは人気ポッドキャスト番組に出演しました。
そこで彼女はローリングとの関係について「私は誰かをキャンセルすることはできない。意見が違っても、愛情や敬意を持って接したい」と語りました。
「私の意見に同意できない人にも私を愛して欲しい。私も同じ意見を持たない人を愛し続けたいと心の底から望んでいる」
引用元:ELLE
これはエマからローリング(=意見が異なる人)に対して「仲直りしたい」という意思表示であると言われています。
さらには「対話が実現しないことが腹立たしい」として、現状が誤解されているのだという捉え方をしていることが分かります。
「話し合いが出来なかったのが腹立たしい。(当時)優しく励ましてくれ、史上稀な役を演じる機会をくれて感謝しかない。 いつか相容れないことを解決し一緒になれるよう願う。私は彼女を愛せるし、彼女も私を好きだったし‥」
つまり、「完全に絶縁するつもりはないが、簡単な関係でもない」という複雑な胸中を明かしたのです。

エマどうしちゃったの?
これは「二人の関係は未だに修復されていない」と感じさせるものでした。

このエマの発言を受けて、ローリングはこう反論しています。
「大人として、富や名声が守ってくれない生活をしたことのない人たちと同様、エマにも現実の生活の経験がほとんどない。自分がどれほど無知であるかを彼女は知らない」
引用元:ELLE
つまり「小さい頃から富と名声を得たエマは現実の生活を知らない」と指摘し「無知」だと批判しました。

女手一つで苦労してきたローリングにとってお金も安全も大事なテーマだよね
またローリングは「自分の作品で有名になった俳優たちが、自分に批判的な立場をとることに納得できない」とも発言しました。

ローリングはいわば3人の「育ての親」ですもんね
ローリングは反論したものの「彼らには意見を表明する権利がある」として、発言すること自体は認める姿勢を取っています。
現時点で、ローリングの反論に対してはエマ含め主要キャスト3人からコメントはありません。
しかし、ハリポタファミリーの再集結はもう実現しないことを十二分に確認する出来事となりました。
ファンや世間の反応は?

この騒動に対して、SNSではさまざまな意見が飛び交いました。
「ワトソンの勇気ある発言を支持する」という声もあれば、「ローリングの創作への敬意を忘れてはいけない」という声もあります。
【エマを擁護する意見】
・ローリングはハリポタ最新作で有色人種キャストばかり採用してたしな
・これからの時代に多様な考え方をするエマは先進的
プライベートで1人娘をもつローリングにとって、生来の女性の権利保護はゆゆしき問題と言えます。
【ローリングを擁護する意見】
・自分にチャンスをくれた偉大な味方を失くしたエマは本当に愚か
・エマは「良く思われたかった」だけで「良くあろう」とは思ってなかったってことじゃない?
2人のやり取りは「婉曲的」「皮肉」で、イギリスが持つイメージそのままだという意見も出ています。
ハリー・ポッター世代のファンにとっては「作品は大好きだが、作者とキャストの確執は悲しい」という複雑な思いを抱いている人も少なくありません。
まさにこの問題は作品と作者、そして社会的価値観の対立を映し出していると言えるでしょう。
さいごに
ここまでエマ・ワトソンとJKローリングに何があったのかを時系列で整理してきました。
– 2020年:ローリングのツイートをきっかけに亀裂が入る
– 2022年:エマのスピーチが間接的な批判と受け止められる一方、ローリングに意味深なメモを渡し関係がいよいよ悪化
– 2025年:エマが「複雑だが関係を捨てない」と語りローリングが強烈に反発
このように二人の関係は単なる不仲ではなく、社会的テーマである「トランスジェンダーの権利」をめぐる対立でもあります。
今後も発言のたびに注目されることは間違いありません。
最後までご覧いただきありがとうございました!